【簡単に解説】内装工事のおける耐荷重(積載荷重)の説明と単位と目安

  • 2024年7月31日
  • 2024年12月5日
  • 技術, 知識
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内装工事の設計や施工において、耐荷重の話題になる事も少なくないと思います。「耐荷重300kg/㎡ですけど問題ないですよね?」とか「耐荷重どのくらいですか?」と聞かれて困った事はないでしょうか?持ち帰って確認すれば済む事も多いですが、耐荷重で使われる単位や大体の目安を知っておけば会話が成り立ち、わざわざ持ち帰らずに済ませれば、クライアントへの説得力も増しますし、自分の不安要素も消せると思います。概要や単位、考え方や目安等ざっくり知っておくと良い事を以下に解説します。

耐荷重の概要

耐荷重(たいかじゅう)とは、外部から加わる力(荷重)に対して、大きな変形や損壊なく耐えられる荷重の値です。簡単に言えば、その物体が何kgまでの重さに耐えられるかを示します。昔、「100人乗っても大丈夫!」というCMフレーズで有名になった物置メーカーがありましたが、実際、耐荷重8000kg超えの物置があり、平均80kgであれば100人乗れるようです。

耐荷重が話題になる状況や注意すべき事項

内装工事で耐荷重が話題になる場合は、ほぼ床の耐荷重だと思います。床の耐荷重は建築基準法で「積載荷重」と定義されています。例えば飲食店舗の場合、厨房設備の重量が大きいです。設置する際の躯体床、床上げする場合はその床の耐荷重も踏まえて、設計する必要があります。オフィスでも躯体床、及びOAフロアの耐荷重が設定されていますので、書庫やサーバーラック等を設置する場合に、書庫内ラック内に置く図書や機材の重量も踏まえて検討しておく必要があります。また、設置する場所だけでなく、重量物の搬入の際の搬入ルート、ELV、仮置き場等の床の耐荷重(積載荷重)を確認しておく必要があります。大量の石膏ボードや砂、セメント、石、タイル、人工大理石の造作物等を搬入する際に特に注意が必要です。

耐荷重(積載荷重)の単位

主な単位

耐荷重の単位は主に以下のものが使用されます。

・N/㎡(ニュートン毎平方メートル)

・kN/㎡(キロニュートン毎平方メートル)

・kgf/㎡(キログラムフォース毎平方メートル)

N(ニュートン)とkgf(キログラムフォース)の変換

・質量(kg)を力(N)に換算:質量に重力加速度(9.8 m/s²)を掛ける。

・力(N)を質量(kg)に換算:力を重力加速度(9.8m/s²)で割る。

つまり、1kgf=9.8N、となります。

・10kgf =98N

・100kgf =980N =0.98kN

・1000kgf =9800N =9.8kN

「kg」と「kgf」の違い

kg(キログラム)は質量の単位で、kgf(重量キログラム)は重さ・力の単位です。 

 (例)6kg:物体自体の質量が6kgであることを示し、月でも宇宙でも6kgです。 

 (例)6kgf:6kgの物体にかかる力(重力)を示します。月の重力は地球の6分の1なので、月の上では6kg、物体にかかる力は1kgfになります。無重力の宇宙空間では0kgfになります。 

耐荷重の目安

用途別の積載荷重

・住宅:約200 kgf/m²

・オフィス:約300 kgf/m²

・店舗:約500 kgf/m²

・倉庫:約1000 kgf/m²

OAフロアの積載荷重

・一般的なオフィス用途: 約300〜500kg/m²

・高耐荷重タイプ(サーバールームなど): 1000kg/m²以上

在来天井の耐荷重

・一般的な天井材の自重:10~20 kg/m²

・照明器具や空調設備等:5~10 kg/m²

乾式壁の耐荷重

・軽量壁の自重:20~30 kg/m²

・壁に取り付けられる棚や設備など約10~20 kg/m²

スチールパーテションの耐荷重

・スチールパーテーションの自重:パネル1枚20〜40kg

・壁に取り付けられる棚や設備など約10~20 kg/m²

床の耐荷重に関する法律

建築基準法施行令85条で建物の用途、居室の種類、構造計算の対象ごとに計算用の数値が定められています。内装工事に身近なところを紹介します。

・住宅:1,800N/㎡(183.6kg/㎡)

・事務所、店舗:2,900N/㎡(295.8kg/㎡)

・教室:2,300N/㎡(234.6kg/㎡)

・映画館:2,900N/㎡(295.8kg/㎡)

・自動車車庫:5,400N/㎡(550.8kg/㎡)

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