【内装施工管理】墨出しの管理。自分でも。

  • 2023年12月5日
  • 2024年6月13日
  • 技術, 知識
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内装施工管理者の初心者には、なんのことやらわからない、もしくは、何となくは知ってるけど、イマイチよくわからない、という方もいると思います。また建築系出身の方々だと、墨出し屋に頼むから自分ではやらない、という方もいると思います。内装施工管理者は自分でやります笑(やりますよね?)
私の場合は1人でやるか、バイトと2人でやるか、大工と2人でやるか、のいずれかでした。これからやらなければならない方や基本を確認したい方に、考え方ややり方や道具などを紹介したいと思います。但し、あくまで内装施工管理者向けなので、本職の墨出し屋レベル程の高いところまでは解説しません。

墨出しとは?

墨出し(すみだし)とは、設計図の内容を現場に書き起こす作業のことです。設計図を実際の現場に書き起こし、どこに何を設置するか印をつけます。墨をくぐらせた糸を用いて印をつけることから、「墨」という言葉が使われていて、墨で印をつける行為を「墨を打つ」とも言います。内装現場でわかりやすい例は、間仕切り壁を立てたい位置に線を引くことです。職人さんはその線の通りに壁を立てますので、もし、間違えた場所に墨をうつと、間違えた場所に壁がたつことになります。ですので非常に重要な作業だということがわかると思います。シンプルな内装現場であれば墨出しさえきっちりやれば、ほぼ終わったようなものだと感じる事さえあります。

墨出し用語

陸墨(ろくずみ)  :水平をあらわす墨のことで、作業現場の基準となる高さを表示する墨。

・芯墨(しんずみ)  :壁や柱の中心を表示する墨。

・返り墨(かえりずみ):墨を打ちたい場所に障害物がある時、その場所から50cmや1mなど一定距離を離して打つ墨。逃げ墨ともいう。

墨出しの道具

墨壺
長い直線を正確かつ簡単に描くことができる道具。糸を墨汁を蓄えた池に通し、壺車で巻き取るつくりとなっている。糸を引っ張りながら真上に持ち上げ、パンとはじくと、多少の凸凹にかかわらず、表面にまっすぐな墨線が残る。墨付け仕事に欠かせない便利な道具である。まずは大工と一緒に打てるようになるべき道具。

スミサシ
大工・石工などが墨壺に添えて、木材・石材などにしるしをつけ、字を書くのに用いる竹筆。小さな竹べらの先を細かに裂いたもの。使ってる大工がかっこいいけど、使っている管理は見たことない。

鉛筆
何かと重宝します。芯が折れると面倒なので、2~3本持っておきましょう。

チョークライン
後々、仕上げ材等で隠れる下地面は、通常の墨つぼを使います。墨が消えないという利点があるからです。そのため、墨ツボは仕上げ面に使用できません。チョークラインは墨の代わりにチョークの粉を使うので、仕上がった後でも多くの面で使用できます。(拭けないところでは使用できない。AEP塗装面等)

スケール
「メジャー」とか「コンベックス」とか呼ばれます。会社や職種等で呼び方が異なるようですが、内装監理者は5.5mのスケールを持ち歩きましょう。

水糸
建築現場などで水平を取るために用います。ナイロン製やポリエチレン製の線、ピアノ線などさまざまな種類がありますが、耐久性が高く非常に頑丈なので、墨出しや建材の固定、板に巻きつけるなどさまざまなシーンで活躍します。墨を打てない場合に墨の代わりに利用したり、床タイル貼りや石貼りの際に高さ確認などに使用します。

レーザー

レーザー墨出し器は、水平や垂直に光線を出す機械です。光が広がらずに真っ直ぐ進むため、正確な水平や垂直の線を照射できます。そのため図面に沿って作業を行う現場では、欠かせないアイテムです。レーザーさえあれば一人で墨出しできます笑泣

下げ振り
鉛直を調べる道具で,糸の一端に逆円錐形で重さ 0.2~1kgのおもりをつけたもの。ある点を同一鉛直線上に移すときや,建具枠の建入れ (鉛直) の良否を調べるのにも用いる。

養生テープ

ポリエチレンで作られたテープで、表面に細かい網目があるので手で簡単に切れるようになっています。キズが付かないように保護したり、塗装で塗料がはみ出さないようにするための養生シートを貼るためのテープです。水糸を仮抑えしたり、仕上げ面に貼ってその上に印をつける場合にも使用でします。

はけ、ほうき

墨出し面に埃等があると墨が付きにくいし、墨ツボに埃が巻き込まれ、故障の原因になったり、大工に怒られる原因になったりします。掃除をすると大工に褒められます。

墨出しの準備

上記の各道具を現場に合わせて取捨選択しましょう。図面を準備しましょう。ここで注意です。図面があればよいというものではありません。図面の種類によりますが、内装工事の場合、往々にして、丁寧な実施設計図や施工図までないことが多いです。基本図面程度の場合、「仕上げ面」や「施主に大事な箇所」の寸法しか記載がない場合が多く、いざ墨出しを始めようとすると、どこに基準を置けばよいかわからなかったり、仕上げ材の厚み等を引き算したり、現場でいろいろな手間がかかる場合があります。なるべくは事前にデスクなど落ち着いた場所で、墨出しイメトレを行い、基準となる場所を確認しておいたり、下地材での寸法を書込みしておくことを推奨します。現場でデスクワークすると間違える可能性が高いです。声かけられたり、時間がなくて焦ったり、デスクワークしにくい環境が多いためです。

墨出しの手順

墨出しは、基本的に2人で行う作業です。墨つぼで引いた線は簡単に消すことができないため、経験が浅い人が墨つぼを持ち、経験者が先端を持って線を引くケースが一般的となっています。

1人で墨出しする場合
墨出しの際にどうしても一緒に作業できる相手がいない場合、自分の足で片方を固定し、墨打ちします。足の届かない距離の場合は、重いものや釘で片方を固定して墨打ちします。レーザー墨出し器を用いる場合は1人での作業も可能です。レーザー墨出し器は、自動で本体をある程度まで、水平に調整できる機能が備わっています。

jpegアイキャッチ墨出し
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