内装施工管理の仕事内容の中編です。
前編はこちらより⇒【実態を説明】内装施工管理の仕事内容(前編)
3.工事工程
受注が決まれば詳細の工事工程を作成します。この作業をどれだけ正確に行えるかによって、現場の大変さが変わってきます。ちょっと極端ですが、完璧な工事工程を作成し、その通りに工事手配(材料と職人)と図面指示をしてしまえば、施工管理者の現場でやることなんて場所案内くらいです。そのくらいにこの工事工程が重要です。この工事工程で見落としがあったり、手順を間違えたりすると、現場で突発的なアクシデントが発生し、現場でその日の予定の作業が終わらなかったり、着手できなかったり、後の工程の日にちを急にかえたり、その日にこれないとか、工程組み替えたり、別の人を探したり、大忙しになります。
工事工程の作成手順としては、まず自分で工種毎に順番と日数を整理して表に落とし込みます。規模の大きい現場であればその現場内のエリア毎に考える必要もあります。日数が読めない場合は発注先に確認します。図面等を渡して“何日必要か?”とか“○㎡塗装するのにどのくらいかかるか”とか。その情報をヒアリングする際には、その現場の作業環境や条件も重要です。日中の作業なのか、夜間の作業なのか、入退館や館内移動に凄い時間がかかるかとか、スペースは十分にあるのか、天気の影響を受ける場所や内容なのかとか、他工種の作業と合番になるのか、等です。作業条件が厳しい場合はがある場合等は余分に日数を見込む必要もあり、そのあたりはある程度経験を積みながら、関係者と情報を整理する必要があります。また自社とその発注先がだけで済めばよいですが、自社以外にも同じ現場に入る工事会社がいる場合はそちらとの調整も行います。工事工程表の種類もいくつかあるのでその現場や状況に適したフォーマットを採用する必要があります。別の記事で解説しています。
⇒【簡単に解説】工事工程の種類と作成方法、作成に必要なこと。
4-1.発注と事前段取り
『2.見積作業』で見積を取った発注先に『3.工事工程』で作成した通りに手配します。現場の住所や集合場所、入り方等の一般情報や図面や工事工程等の技術的な与件、その他気を付けなければならない点等を事前に共有します。難易度が高い作業の場合等は必要に応じて対面で打合わせを行ったり、事前に現場調査を行うことも多いです。着工までの期間にゆとりがあれば良いのですが、施主や設計者などの何らかの要因で急に着工日が来まったり、工期が少なくなったりすることも多いです。(最近は改善されたのでしょうか。。)「来週?急に言われても職人空いてないですよ?」なんていうのはよくありました。予定の発注先から手配できない等で断られてしまう場合は、代わりの同業他社にあたりますが、費用が高く粗利が削られたり、職人の腕が良くなく、仕上がりが悪かったり、工程が上手く進まなかったり等、施工管理者の体力と精神力が削られます。他には自分で養生材等の資機材を購入しにいったり、なんていう事もあります。
4-2.制作物の手配、検査
デザイナー設計図を基に打合せを行い、作り方の検討を行い、製作図(又は施工図)を作成します。図面を何度も書くのか?という疑問があるかもしれませんので解説します。まずデザイナー等が書くデザイン図や基本設計図は作り方まで考慮されている事がありません。(全く無いわけではないですが、場合にも依ります。)ですので、完成形や素材、納まりのイメージを確認して製作図を作成して、デザイナーや施主の確認をとります。必要に応じて素材サンプル(色見本や木板、生地等)を取り寄せ、確認します。製作後に「イメージと違う」と言われても困りますので。(どれだけ事前確認してもできたあとに「何か違う」とかいう人もいます。)家具や造作物はなるべく工場で検査を行います。デザインを凝ったようなものであれば、施主やデザイナーに来てもらう場合もあります。現場で設置してしまうとどうにもならない事が多いですが、工場であればまだ取返しの着く場合も多いのです。また見た目だけでなく、機能的な問題がないかチェックすることも大事です。扉とか引き出しとかスイッチ類とか、可動部を動かして、スムーズに動くか等を確認します。
5.現場の施工管理
現場で施工管理が行う事の本質は「現場を図面通りに作ってもらう事。」だと思います。なので、図面資料等と材料を用意して、現場の職人に説明することが本質だと思います。ただ、問題が起きる事もあるので、工程と品質と安全を管理する、という事になります。そしてこの効率的なやり方として朝礼や昼礼というものがあります。小さな現場では省略されることもありますが、基本朝礼はその日の現場作業員が全員参加して、当日の全体作業の内容や注意点を共有する場になります。昼礼は職長だけ集めて、当日午後の予定や翌日の予定を確認する場になります。と偉そうに書きましたが、20代の施工管理時代はそんなものほとんどやったことはありませんでした。そういった教育も無く存在すら知りませんでした。ですので、ひたすら来た職方たちにその日の作業内容や場所を説明していましたね。小さな会社の小さな現場が多かったということもあります。たまにゼネコン現場に家具屋として投入されることもあり、8時に行かなければいけなかったり、夏でも長袖&安全靴&ヘルメット着用とか意味わかりませんでした。当時の会社では現場9時スタートでノーヘル半袖OKでしたし、安全靴なんて持っていませんでした。(現場の常識が無かった、とも言えます。)ただ、現場9時スタートとはいえ、一度会社に行って、トラック又はハイエースで現場に行かなければならなかったので楽ではなかったです。また現場で大切なのは施工だけではありません。トイレ、休憩所、喫煙所、駐車場、照明など、働ける環境づくりも大切なので、その現場施設で使用できるのか等、事前の段取りや必要な仮設資材や設備の準備も必要です。
まとめ
次回、現場竣工後の業務を続けていきたいと思います。