【実態を説明】内装施工管理の仕事内容(前編)

  • 2025年1月20日
  • 2025年3月3日
  • 経験
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内装施工管理の仕事内容について、一般論ではなく私個人の経験に基づいて、実際に何の業務をどのように行ったか、より感覚的に説明したいと思います。主に施工管理への就職を考えている方の一助になればと思います。一般論では「工程、安全、品質管理だ。計画が大事だ。コミュニケーション能力が求められる。」といった記事やお話があるかと思いますが、実際に誰とどのようか事をするのか?がイマイチわからないと思います。私の経験に基づく話をしますのでその経験の前提条件となる環境や背景から説明いたします。

0.経験の前提となる環境

時期は2005~2010年頃の古い話にはなってしまいますが、業務の流れは大きく異なりません。事務機器としてはメールとFAXを併用し、CAD図面が普及始めたころです。見積書も手書きとエクセル等のPCソフトと両方ありました。まだデスクでたばこも吸えるような会社でした。私は20代で当時の会社は60名くらいの小さい会社でした。かつ、自社の家具工場とアルミパーテションの制作施工も行っていたので、内装の施工管理を行う部署は5~10名位で構成されていました。また恐らくバブルか何かの機会に領域拡大をしたのだと思われ、木工家具とアルミパーテションのノウハウや販路は安定していましたが、内装工事はノウハウもクライアントも不安定でした。あとから思えばですが。

受注工事の90%以上が元請けではなく一次下請けでした。(元請と下請で業務内容がかなり異なりますので注意が必要です。)また、内装工事の対象はオフィスと店舗がメインでその他住宅販売のショールーム等もやっていました。受注金額は数万円から一億円くらいまでで、数坪から数百坪という規模です。受注先は大手から中堅の店舗内装会社やオフィス大手スチールメーカー(テナント入居プロジェクトを行う)でした。あとは大手ゼネコンにぶら下がっているサブコンとかハウスメーカーとかです。個人ブローカーとかもちょこちょこありました。
業務内容としては見積、工事工程、現場管理、お引渡し後対応まで、全て行います。

※元請:施主から直接工事を請け負う請負者です。
※下請:元請けから工事を請け負います。施主と接する機会が少ない分、より工事現場に近いイメージです。

1.受注活動、見積業務

だいたい忙しいので受け身の受注活動でした。つまり、積極的にお客さんのところへ「何かお仕事ありますかー?」のような営業にいくような事はなく、お客さんから見積を頼まれたり、上司が持ってきた仕事をこなしたり、という感じです。見積を受けるパターンもいくつかあり、「現場に呼ばれて現場の寸法等も測って、打合わせもして、図面も貰う。」が一番丁寧な依頼で成約率も高いです。あとは図面がFAXで送られてきて電話で説明される場合もあります。資料なくて口頭で説明だけ受けて見積もる場合もあります。レアケースですが、あるお客さんから「今日どうしてもこれないか?」と相談があり、先方のオフィスに着くと、テーブルに図面と電卓と見積書ひな形(手書き)があり、「概算で良いから1時間くらいで金額算出してくれ。」と半ば軟禁のような状態で見積をさせられたこともありました。良い信頼関係もあり、条件の良い高額案件を発注頂けるお客さんでしたので、喜んでやりましたが(笑)

2.見積作業

見積というのは「請求したい金額をお客さんに提示する書類」です。請求金額を決めるために、支払い金額を算出して、自社の利益を計上して、請求見積書を作成する、という手順になります。ですので、まずは支払金額を算出するために、工事内容を分析して、工種毎に分けて発注先(塗装屋とか軽鉄屋とか)に見積を依頼します。新人の頃は発注先に図面をそのまま渡して、数量を読み取る作業も含めて発注先に頼んでいました。その方が自分は楽ですが、出てくるまでに時間もかかるし、発注先は面倒がりますし、意図していない内容で見積もられたりします。そこそこ経験を積めば、図面に工事内容を書き込んだり、数量を記載して、「この内容で見積して」と頼めます。また、単純な作業内容であれば、発注先から単価+軽率等を聞いて、その内容で見積をしてしまう事もできます。材料と施工を別々にすることもできます。一般的に細かくすればするほど、下値を下げられますが、手間も増えます。見積を頼むのも簡単ではない場合もありあす。積極的に協力してくれる担当もいれば、あまりやりたがらない担当もいます。会社間の関係や個人間の関係、またその会社の体制にも依ります。数名で運営している職人会社も多いですから、見積頼もうにも見積をしてくれる社長が毎日現場に出ているなんていう会社も普通にあります。経験を積めばある程度、下値(発注先から貰う見積=支払金額)を貰わなくてもできるようになりますが、安くみてしまった場合、赤字になりますので注意が必要です。なお、現在私がいる会社は発注先の見積と提出見積を揃えて、上司の決裁を取らないと見積を出すことすらできません(それが普通?)。が当時、2年目くらいからは自分で作った見積を誰に見せることなくお客さんに出してしいましたね。良くいえば裁量を任せられてたと言えますが、単に管理しきれず放任だったのだと思います。

また見積作業以外でも例えば工事日数がどのくらいかかるか、とか、いつまでに発注すれば納期に合うか、とか元請が施主と打ち合わせするために必要な情報を提供して上げる必要もあります。新人のときは言われるがまま調べて答えるのが精いっぱいですが、経験を積むと、このあたりから元請けに対し主導権を握るような感覚を掴み、先に必要な情報を提供しつつ、必要な情報をヒアリングしたり、誘導したり、有利な条件で受注できるように立ち回りをします。

※主な工種解体、軽鉄PB(天井、壁)、塗装、クロス、床仕上(タイルカーペット、塩ビタイル、フローリング)、上げ床、家具工事、造作工事、建具工事、ガラス工事、金物工事、電気設備工事、機械設備工事、楊重、養生、補修。

また往々にして、見積提出後に「いくらくらいまで下がりますか?」というお約束の値引き交渉がありますので、最初から値引き分乗せておくのが常とう手段でしたね。当時会社としては粗利を15~20%で良しとされていましたので、だいたい、25~30%位乗せて、最大10%を値引きしろにしていました。

あとがき

次回、受注後の業務を続けていきたいと思います。

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